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著 者: 小泉益男
oizumi report-3 劣化の早い食品には,賞味期限はなじまない


一口に言って,「よけいな お世話」なのだ。

不二家の賞味期限偽装問題が誌面をにぎわせているが,賞味期限とは
一体何なのか?どうも,言葉が一人歩きしているようだ。
そもそも,「美味しく食べられる期間」が賞味期限で,もともと非常に
曖昧な概念なのである。
与件によって,劣化の度合いが 全く異なる製品に賞味期限を 一律に
設定して,どのようなメリットが誰にあるのか,を考えてみると,
本質が透けてくる。官僚にとって,業者を管理しやすく,危険予知の
センサーが劣化した消費者の クレームに耐えられ,監督する
側としての責任を逃れるには,一律の規準を決めておくのが,最も便利
だからに過ぎない。冷蔵庫の普及前は,家庭の牛乳を飲む前に必ず,
自分の五感を働かせたものだ。多分今でも,各家庭の冷蔵庫の残り物
食品は,そうしている家庭が多いと信じたいが,どうだろう。

例えば,玉子は急激な温度変化で2日で劣化するが,適当な温度管理を
すれば30日以上も耐えるもので,賞味期限など目安にもならない。
むしろ,資源を無駄に廃棄する事になるわけである。先日,避難袋から
3年が賞味期限の乾パンが5缶出てきた。調べてみると,製造月日
1983年とあった。震災明けの年に買ったのだから,その時点で,
既に10年も賞味期限が切れていた事になる。某 有名店のラベルも
付たままである。少し心配になって,食してみた。全缶,正常,異常は
なかった。もし単品で製造月日13年以上前の製品が並んでいて,
消費者の一人でも,買うか?買わない。しかし知らずに買っても,健康
被害は無い。一方,2年たった「ゆば」は油が回って,臭くてだめに
なっていたが,賞味期限は無かった。

何でも自動で,機械任せにする風潮が有るが,人間が口に入れるもの
ぐらい,本能を磨いて暮らすということが,あってもいいのではないか。
短期で劣化しやすい製品には賞味期限などというあいまいな,当てに
ならない規準は廃止して,製造年月日と産地表示を厳格にしてもらい
たい。
また以前,砂糖に賞味期限添付の要請が,あったが,悪乗りも
いいとこで,このように賞味期限の概念に,全くなじまない保存食品
もある。概して,個人情報保護の規準と同様,賞味期限などという,
曖昧な非科学的規準は少なくとも,役所が率先して決めることではない。
工場の出荷規準が必要なら,曖昧さを,完全に省いて,「大腸菌OOケ
以上は 廃棄せよ。」とか「油の酸化度OO %以上は販売停止」とか,
決めればよろしい。
近所に,マヨネーズ,サラダ油,インスタントラーメン,菓子,野菜,果物を
炎天下の店頭で,販売している信じられない光景を見た。
いくら期限内でも,油の劣化した菓子や,栄養価の低下した,野菜など
食わない方が無難のは言うまでも無い。りんごは湯たんぽのようで
あった。
味覚は個人が判断する,劣化した製品が原因で,事故を起こせば,
3日間の停止などと言う甘い処分ではなく,罰と罰金を格段に重く
すれば抑止されるだろう。劣化の早い食品には,賞味期限はなじま
ないが,どうしても付けるなら,
「出来るだけお早くお召し上がりください」でいいのではないか?
もちろん,食品を製造する側の,モラルを高めてもらいたいのは,
いうまでも無いが・・そう言う企業を育てるのも,消費者側の課題
ではあるまいか。


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